慰謝料について
慰謝料を請求するには
慰謝料とは、肉体的・精神的苦痛に対して支払われる損害賠償です。離婚したら必ず慰謝料をもらえる、と考えている方が多いようですが必ずしもそうではありません。慰謝料を請求するには相手の暴力行為や不貞行為などによって肉体的・精神的苦痛を与えられたという証拠が必要です。離婚を切り出す前から証拠集めをしておくことをお勧めします。
暴力行為の証拠
- 診断書
- 怪我の様子が分かる写真
- どんな暴力をいつ・どこで受けたかについてのメモ
不貞行為の証拠
- 手紙・メール
- 特定の相手と写っている写真
- 携帯電話の通話明細
慰謝料判断のポイント
慰謝料額の判断ポイントはいくつかあります。
- 精神的苦痛の度合い
苦痛の度合いが大きいと判断されると金額が高くなります。 - 有責性の度合い
暴力や不貞に関する責任の所在。慰謝料を請求する側にも責任があるとみなされた場合は減額されます。 - 婚姻期間
期間が長いほど金額は高くなる傾向にあります。 - 支払う側の経済状態
支払い能力が十分にあるとみなされると高額になります。
この他、離婚の原因、離婚後の扶養の必要性、婚姻を維持するための協力度などの要素を総合的に考慮して算定されます。
慰謝料の相場
有名人の離婚では「慰謝料○億円」といった大きな金額が話題になることがありますが、一般の離婚ではそのような金額になることはありません。慰謝料額は、相手の支払い能力も加味して算定されるからです。
浮気を原因とする離婚の場合は100~300万円程度が多いようですが、個々のケースにより異なりますので、あまり相場を気にしない方が良いでしょう。
慰謝料の請求期間
慰謝料には請求期限があります。不法行為による損害賠償請求権の消滅時効、すなわち慰謝料を請求する際の時効は3年です。従って、離婚が成立した日から3年を経過すると慰謝料は請求できなくなります。
また、離婚時に請求の権利を放棄している場合、その権利は特別な事情がない限り取り戻すことはできません。
